コンセプション(Conception)とは受胎=妊娠を意味します。それに対してプレコンセプションケア(Preconception care)とは、将来の妊娠や出産に向けて、現在の自身の状態を把握し、将来に向けて準備をすることをいいます。

加齢にともなう妊娠率の低下

女性のライフステージにおいて、妊娠可能な時期は限られます。妊娠率は加齢と共に低下するため、限られた妊娠可能時期に早期に妊娠する事が望ましいと言えます。

思春期 〜20代前半

初経開始後に生じてくる、以下の月経随伴症状は将来の病気のサインかもしれません。

例)月経痛、気分の落ち込み、頭痛、イライラする、月経不順

早期治療介入をする事で、子宮内膜症等の病気の予防が可能ですので、是非気になる症状があれば受診をお勧めします。

成人期 20〜30代

月経開始から10年程経過し、女性ホルモンの影響で増悪するものや、その他の疾患が徐々に明らかになってくる時期です。

例)子宮内膜症(卵巣チョコレート嚢胞など)、子宮筋腫、子宮腺筋症、卵巣嚢腫など

これらの疾患は、基本的に良性疾患ですが、場合によっては手術が必要になることもあります。手術が今後の妊娠に大きな影響を与えることもあります。不妊治療の専門医である我々が早期から症状把握や治療介入を行う事で、必要のない手術を避ける事が可能となる場合があります。ご自身の将来の妊娠率を守るためにも、早期の相談をお勧めします。

Body Mass Index:BMIと妊娠

身長と体重から肥満度を表すBMIは今後の妊娠においても重要な指標です。

BMI=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)

若年女性に多い、過度なダイエットや過食による、急激な体重の増減も妊娠において重要な問題を引き起こします。具体的には、急激な体重減少に伴う排卵障害があります。また逆に肥満でも排卵障害は起こります。実際にどのくらいの体重増減で排卵障害が生じてくるかは個体差があります。気になる方は一度ご相談ください。

また、肥満に関しては、糖尿病などの生活習慣病を招く危険性もあります。妊娠に先行してこれらの治療を行う必要が出てくるため、結果として妊娠開始時期が遅れて最終的に妊娠率の低下を招く結果になりかねません。

当院ではこのような、妊娠前からの女性のライフステージに合わせたプレコンセプションケアへの取り組みを積極的に行っています。

初経開始後から思春期を含めた、妊娠開始時期までの事前のケアが将来の妊娠率を左右します。オンラインでの事前相談もご活用ください。