姫路市の不妊治療・一般婦人科

院長と体外受精

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院長と体外受精—胚移植(IVF-ET)/顕微授精(ICSI)の歴史について

院長写真

昭和58年から日本でも体外受精が行われる様になり、早20年が経過しております。院長は、昭和58年に医師となり兵庫医科大学産婦人科に入局しましたが、その年から兵庫医科大学産婦人科においても体外受精がスタートしました。従いまして、院長は医師となってからすぐに体外受精に携わったことになります。

兵庫医科大学時代には医局の研究テーマであった免疫性不妊症の研究ならびに体外受精を中心とした不妊治療を行っておりました。平成5年4月には、兵庫医科大学産婦人科の教授であった磯島先生(現府中病院不妊センター所長、兵庫医科大学名誉教授)と大阪府和泉市の生長会府中病院が不妊センターを開設され、院長はその時不妊センター開設と同時に不妊センターに着任いたしました。

その後、同センターにおいて体外受精を中心とした不妊治療に積極的に取り組んでまいりました。当時体外受精の妊娠率は20%位でしたが、その後の種々の改善の結果、現在では約40%の妊娠率が得られるようになりました。また、平成7年頃からは、高度の乏精子症の方に対する顕微授精(ICSI)がスタートし、府中病院不妊センターでも当初からICSIの成功に積極的に取り組んでまいりました。

現在では約35%の妊娠率が得られるようになっています。また、受精卵の凍結保存についても不妊センター開設当初から行っており、凍結融解胚移植で早々と妊娠例が多数得られました。当時、日本ではまだ受精卵の凍結保存はあまり積極的に行われてはおりませんでしたが府中病院不妊センターでは早くから成功しておりましたので多くの学会発表を行いました。

受精卵を凍結保存する技術が確立しておりますと、卵巣過剰刺激症候群(OHSS)を防ぐために全ての受精卵を凍結保存しておき、その後の自然排卵周期に凍結融解胚移植を行い妊娠してもらうことができます。あるいは、採卵した周期に胚移植を行い妊娠、分娩に至ったとします。その時、余剰の受精卵を凍結保存しておくことにより、次回の妊娠は、採卵せずにその凍結しておいた受精卵を移植してお子さんを作ることが可能です。

このように受精卵の凍結保存には色々なメリットがあります。体外受精や顕微授精の技術が向上することにより、妊娠率は向上してきましたが、ただ、多胎妊娠も増加してきました。府中病院では平成8年から移植する胚は3個以内としていましたが、平成11年には品胎(三つ子)が年間に5例も発生してしまいました。

1年間で約200名の方が体外受精および顕微授精で妊娠されたのですが、その約2.5%の方が三つ子となりました。そこで、何とか三つ子を作らないようにしないといけない訳ですが、今まで三つ戻していたのを、そのまま二つに減らしたのであれば今度は妊娠率が低下してしまうと予想されました。ちょうどその頃受精卵を効率よく胚盤胞の段階まで培養できる培養液が登場してきましたので、これを使って三つ子を予防しようと考えました。

受精卵は2日目で4分割、三日目で8分割になります。従来はこの4〜8分割になった受精卵を三個以内移植していたのですが、さらにもう2日間追加培養することにより5日目で胚盤胞にまで到達させることができます。ただし、そのためには先程説明しましたような培養液と長期間培養する技術と、良い受精卵が必要です。

つまり全ての受精卵が胚盤胞にまで発達するわけではなく、6〜8分割位で分割が止まってしまう受精卵も多数あります。このような受精卵を子宮に戻しても妊娠には至らないわけです。逆に言えば、5日目で胚盤胞にまで発育してきたような受精卵は非常に良好で妊娠に至る可能性が高いと予想されます。もしこのような胚盤胞が5日目で得られれば、戻すのは2個で充分であろうと考えたわけです。

この試みを平成11年から府中病院不妊センターで行った結果、三つ子を減らしなおかつ妊娠率は上昇しました。平成12年にはこのことを第18回日本受精着床学会において発表したところ、学会賞を受賞いたしました。その後も、この胚盤胞移植に積極的に取り組み、患者様によっては、胚盤胞1個だけを移植するということも行っております。患者様を選択していますが、この場合の妊娠率は約75%になっています。

府中病院不妊センターでは平成14年の1年間に224名の方が体外受精および顕微授精で妊娠されましたが、双胎(双子)は34名(15.2%)で、品胎(三つ子)は1名となり、かなりの確立で三つ子を減らせたといえます。

院長の医師になってからの歴史と日本の体外受精の歴史は全くの同じ年数であり、かつ院長自身は日本の体外受精のスタートから現在に至るまで常にかかわりを持ち続けてきております。20年前を振り返れば、体外受精をした翌日に4〜5個の受精卵を子宮内に戻して妊娠率が10%を下回っていましたが、現在では5日目に2個を戻して約40%(もし胚盤胞を2個戻せれば約50%)の妊娠率が得られるようになったのです。

受精卵を凍結保存しておいて、2〜3年後に2人目のお子さんを作ることもできます。精子がほとんどいなくても、わずか数匹の精子を睾丸からとってきて、顕微授精をした結果、双子のお子さんができた方もいらっしゃいます。あるいは、1回目の顕微授精で双子ができて、その3年後に『今度はもう一人だけ作ってください』と頼まれ、胚盤胞を1個だけ移植して無事1人(3人目)の赤ちゃんを産んだ方もいらっしゃいます。

この20年間、特に後半の10年間の生殖医療の進歩は著しいものがありました。院長は、その10年間を府中病院不妊センターにおいて最先端医療を実践してきました。今後はこの技術と知識の蓄積をもとに姫路を中心とした播州地域において実践してゆきたいと考えております。お子様がなかなかできないと悩まれておられるご夫婦は多数いらっしゃいますが、決してあきらめることなく一度ご来院ください。

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